もりまなダイアリ

読書めも&趣味ぶろぐ

「ガタカ」才能と努力と反発 

 

飲み会は好きじゃない。おいしいごはんはだいすきだから行く。

小さなイタリアンレストランを貸切って行われるパーティ。

連日の飲み会で体は少し疲れている。

 

同期の彼とは会うのも久しい。相変わらずオシャレで、ブリティッシュ

あだ名はユージーン。名前が裕司だから。

スーツの似合う営業マンだ。繊細な指先で書類を指し示す彼とは仲がいい。

彼は入社したころから、文化人だった。趣味は美術館巡り。

文系であれば一度は憧れる私大を出て、そのことに誇りを持っていた。

流暢な第三外国語をしゃべるために、彼は会社から重宝されている。

 

宴もたけなわ、彼と目が合った。

おすすめの映画の話になって、いろいろ教えてもらった。

そのひとつがこのガタカである。

 

ざっくりしたあらすじ

人間が生まれることに対して、最善の遺伝子を選択できる世界。

自然のまま生まれた子供は、病気の可能性も厄介な精神指向も持ち合わせている。

最善の遺伝子で選ばれた子供は、優秀な才能を持って生まれてくる。

遺伝子の質で階級も決まる。それが「適正者」である。

主人公は「適正者」でない。そのために「適正者」になりすます。

 

おすすめしてくれた同期のユージーンはどちらかというと

「適正者」側の人間だと思った。

優秀で、己の価値を自覚し、それを社会に還元している。

しかし彼はそう思っていなかったかもしれない。

才能は基準がない。上を見れば果てがなく。きりがない。

天才たちの巣窟のなか、努力を続けられる努力をしてきた人間。

彼もなんでも得意なわけではない。苦手な分野や悪癖はあることを知っている。

たとえば、スポーツはあまり得意でない。

彼は幼少期、そのことでひどく落ち込んでいたと笑った。

才能への反発、ユージーンは反発し続けているのかもしれない。

 

私はひとからおすすめされた映画が大好きだ。

映画というよりも、おすすめしてくれた人が何を考えているのか

何に拘泥しているのか、そのひとにとっての「美しさ」の一端がみえる。

 

これは私の性癖に等しい。ぞくぞくする。それが幻であってもかまわない。

美しい物は、霧煙るもやのなかに隠されてあるのが一番だ。